先日、会社の同僚と飲んだ時、いつになく暗い感じだったので、どうかしたのかと訊くと子供の成績のことで少し悩んでいた。来春大学受験を控えているそうなのだが、志望校の合格ラインになかなか届かないようで、子供のモチベーションがこの時期になって下がり気味なのだそうだ。
「俺もあんまり勉強してなかったから、偉そうに子供に『勉強しろ』なんて言えないんだよな」と少しネガティブなご意見。
「良い方法を教えてあげようか」と含み笑いを見せながら、同僚にむかってこう続けた。
「親も勉強すれば良いんだよ、子供の目の前で」
同僚はきょとんとしていた。でもすぐに我に返って、
「そんなの無理だよ、勉強することないし。たとえ子供の目の前で勉強してても、子供は無視するよ、俺の事なんか」
それはお前の育て方に問題あり、とうっかり口をついて出てきそうだったが、実際に子供が勉強しなければいけない時に、親が読書をする姿だけでも見せれば、子供は勉強する姿勢になるそうだ。逆に、子供は子供部屋に押し込んで、親はビール飲みながら別の部屋でテレビを見たり、自分だけ夜の街に遊び出るようだと、子供は一切勉強をしなくなるらしい。その事を同僚に言うと、それも一理あると納得した様子だった。
それでも、勉強って結局何すれば良いんだ、と、まだすっとんきょうなことを言うので、
「官能小説に夏目漱石の小説のブックカバーでもつけて読んでみれば」
と冗談を言うと、ガハハハ、と高笑いをした後、真面目な顔になって、
「それ、やってみる」